特定福祉用具販売を使い始めるまでの流れを、順を追って整理しました。はじめて介護サービスを検討する方でも進められるようにまとめています。
基本情報
| 分類 | 住まい・道具 |
|---|---|
| 読み方 | とくていふくしようぐはんばい |
| 自己負担の目安 | 0円〜10万円/年10万円上限 |
| 対象となる要介護度 | 要支援1〜要介護5 |
| 介護保険 | 適用される |
| 利用頻度の目安 | 随時 |
利用開始までの流れ
- 要介護認定を受ける特定福祉用具販売を介護保険で使うには、要介護(要支援)認定が必要です。市区町村の窓口へ申請します。
- ケアマネジャーに相談する担当のケアマネジャーへ特定福祉用具販売の利用希望を伝えます。認定を受けていない段階なら地域包括支援センターへ。
- 事業所を探して見学する複数の事業所を比較します。送迎範囲・空き状況・雰囲気を確認してください。
- ケアプランに位置づけるケアマネジャーが特定福祉用具販売をケアプランに組み込みます。区分支給限度基準額の範囲内かも確認されます。
- 契約・利用開始重要事項説明を受けて契約します。利用開始後も内容の変更は可能です。
どんなサービスか
入浴補助用具やポータブルトイレなど、貸与になじまない用具を購入する際に給付されます。
つまずきやすい点
年間10万円が上限です(4月〜翌3月)。指定事業者からの購入でないと給付されません。先に相談してください。
利用の頻度
随時が目安です。実際の回数は要介護度と区分支給限度基準額の範囲内でケアプランに組み込まれます。
対象と対象外の区分
| 区分 | 特定福祉用具販売の利用 |
|---|---|
| 要支援1 | 利用できます |
| 要支援2 | 利用できます |
| 要介護1 | 利用できます |
| 要介護2 | 利用できます |
| 要介護3 | 利用できます |
| 要介護4 | 利用できます |
| 要介護5 | 利用できます |
すべての区分で利用できます。ただし要介護度によって使える回数と、区分支給限度基準額の枠が変わります。
介護保険の対象外になる費用
特定福祉用具販売を利用するとき、介護保険が使えるのはサービス費の部分だけです。次の費用は保険の対象外で、全額自己負担になります。見落とすと想定より支払いが増えます。
- 支給限度額を超えた分の工事費
- 対象外の工事(新築・増築にあたるもの)
- 搬入設置費が別途かかる用具
事業所によって扱いが異なる項目があります。契約前に「保険外で発生する費用の一覧」を出してもらってください。
特定福祉用具販売について誤解されやすいこと
特定福祉用具販売について、実際とは違う形で広まっている話がいくつかあります。判断を誤りやすいところを整理します。
「福祉用具は何でもレンタルできる」ではない
要介護度によって対象外になる品目があります(軽度者に対する車いす・介護ベッドなど)。例外的に認められる条件もあります。
「住宅改修は工事してから申請できる」ではない
着工前の申請が必要です。事後申請は原則として認められません。
「レンタルより購入のほうが得」とはかぎらない
状態が変われば必要な用具も変わります。レンタルなら交換できますが、購入したものは合わなくなっても残ります。
この項目の用語と条件
| 特定福祉用具販売 | 読み方は「とくていふくしようぐはんばい」。入浴補助用具やポータブルトイレなど、貸与になじまない用具を購入する際に給付されます。 |
|---|---|
| 向いているケース | 排泄・入浴の補助用具が必要な場合 |
| 対象となる区分 | 要支援1〜要介護5 |
| 料金の単位 | 年10万円上限 |
| 利用の頻度 | 随時 |
迷ったときの相談先
特定福祉用具販売について判断に迷う場合、次の窓口で相談できます。多くは無料です。
| 相談先 | 相談できること |
|---|---|
| 福祉用具専門相談員 | 用具の選定、試用、住宅改修の提案 |
| 担当ケアマネジャー | 必要性の判断とケアプランへの位置づけ |
| 市区町村の介護保険課 | 住宅改修の事前申請、自治体独自の助成制度 |
| 作業療法士・理学療法士 | 体の状態に合った用具と住環境の助言 |
ひとりで抱えず、早い段階で相談したほうが選べる選択肢は多くなります。期限のある手続きは特にそうです。
特定福祉用具販売でよく出る質問
特定福祉用具販売の自己負担はいくらですか?
0円〜10万円/年10万円上限が目安です(自己負担1割の場合)。所得によって2割・3割になる方は、その分だけ負担額が増えます。
特定福祉用具販売は誰が使えますか?
対象は要支援1〜要介護5です。介護保険の適用を受けるには、要介護(要支援)認定を受けている必要があります。
特定福祉用具販売で注意することはありますか?
年間10万円が上限です(4月〜翌3月)。指定事業者からの購入でないと給付されません。先に相談してください。
特定福祉用具販売のまとめ
- 費用の目安は0円〜10万円/年10万円上限
- 対象は要支援1〜要介護5
最後にもう一度。年間10万円が上限です(4月〜翌3月)。指定事業者からの購入でないと給付されません。先に相談してください。
住まい・道具サービスの一覧
- 福祉用具貸与(100円〜3,000円/月額)
- 住宅改修(0円〜20万円/生涯20万円上限)
- 介護リフォーム(0円〜20万円/工事)
- 福祉用具専門相談員(無料)
- 配食サービス(400円〜800円/1食)
- 緊急通報システム(0円〜1,500円/月額)
特定福祉用具販売について実際によく調べられていること
検索されている質問のうち、特定福祉用具販売に関係するものを5件取り上げて、このページのデータで答えます。
特定福祉用具販売の自己負担はいくらですか?
特定福祉用具販売の自己負担の目安は0〜100,000円/年10万円上限です(1割負担の場合)。所得によって2割・3割になる方は、その倍・3倍が目安になります。
| 負担割合 | 1年10万円上限あたり | 随時で使った場合の月額 |
|---|---|---|
| 1割 | 0〜100,000円 | 利用回数による |
| 2割 | 0〜200,000円 | 利用回数による |
| 3割 | 0〜300,000円 | 利用回数による |
自分が何割かは負担割合証で確認できます。所得に応じて毎年判定され、7月に交付されます。1ヶ月の自己負担が上限を超えた場合は、高額介護サービス費として超えた分が払い戻されます(申請が必要です)。
特定福祉用具販売で対象外になるものはありますか?
あります。年間10万円が上限です(4月〜翌3月)。指定事業者からの購入でないと給付されません。先に相談してください。
介護保険は「本人の生活を維持するために必要なこと」に限られます。同居家族の分の家事、来客への対応、日常的でない大掃除や庭木の手入れなどは対象外です。対象外のことを頼みたい場合は、介護保険外の自費サービスとして依頼する形になります。料金は事業所ごとに設定されています。
特定福祉用具販売の費用は医療費控除の対象になりますか?
特定福祉用具販売のような福祉系のサービスは、単独では医療費控除の対象になりません。ただし医療系サービスと併せて利用している場合、自己負担額の一部が対象になることがあります。
判断は領収書の記載で行います。事業所が発行する領収書には、医療費控除の対象額が明記されていることが多いところです。年間の領収書をまとめて確認してください。制度の詳細は国税庁の公表内容および市区町村でご確認ください。
特定福祉用具販売を使いたいときはどこに相談すればいいですか?
相談先は認定の状況で変わります。
| 状況 | 相談先 | すること |
|---|---|---|
| まだ認定を受けていない | 市区町村の介護保険窓口/地域包括支援センター | 要介護認定を申請する |
| 要支援の認定がある | 地域包括支援センター | 介護予防ケアプランを作ってもらう |
| 要介護の認定がある | 担当のケアマネジャー | ケアプランに特定福祉用具販売を組み込んでもらう |
ケアプランの作成に自己負担はありません。事業所選びで迷う場合は、複数の候補を挙げてもらい、見学してから決められます。特定福祉用具販売は要支援1〜要介護5が対象です。
特定福祉用具販売と福祉用具貸与の違いは何ですか?
同じ「住まい・道具」に分類される2つを並べます。
| 特定福祉用具販売 | 福祉用具貸与 | |
|---|---|---|
| 自己負担(1割) | 0〜100,000円/年10万円上限 | 100〜3,000円/月額 |
| 対象 | 要支援1〜要介護5 | 要支援1〜要介護5 |
| 形態 | 用具 | 用具 |
| 頻度の目安 | 随時 | 継続 |
| 限度額の枠 | 対象 | 対象 |
特定福祉用具販売が向くのは排泄・入浴の補助用具が必要な場合という場合、福祉用具貸与が向くのは身体状況に合わせて用具を試したい、購入せず使いたい場合という場合です。どちらかに決める必要はなく、組み合わせて使うこともできます。
特定福祉用具販売を決める前に確認すること
あとから「聞いていない」となりやすい点を5つ並べました。上から順に確認してください。
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| 自己負担の割合 | 負担割合証で1割・2割・3割のどれかを確認してください。特定福祉用具販売は1割なら0〜100,000円/年10万円上限、3割ならその3倍です。 |
| 事業所を比べたか | 同じ特定福祉用具販売でも、事業所によって職員体制や送迎範囲、対応できる時間帯が違います。ケアマネジャーに複数の候補を挙げてもらい、見学してから決められます。 |
| 対象外になること | 年間10万円が上限です(4月〜翌3月)。指定事業者からの購入でないと給付されません。先に相談してください。 |
| 高額介護サービス費 | 1ヶ月の自己負担が上限を超えたら、超えた分が払い戻されます。申請しないと支給されません。 |
| 地域密着型かどうか | 地域密着型のサービスは、原則としてその市区町村に住民票がある方だけが利用できます。転居の予定がある場合は先に確認してください。 |
特定福祉用具販売で気をつけたいところと、その避け方
限度額を超えていることに気づかない
特定福祉用具販売は区分支給限度基準額の対象です。他のサービスと合わせて上限を超えると、超えた分は全額自己負担になります。
避け方:ケアプランを作る段階で、月の合計がいくらになるかを数字で出してもらってください。
負担割合の変更に気づかない
自己負担の割合は所得に応じて毎年判定され、7月に新しい負担割合証が交付されます。前年の所得が上がると2割・3割になることがあります。
避け方:毎年7月に届く負担割合証を確認してください。特定福祉用具販売は割合が上がると0〜100,000円が倍・3倍になります。
事業所を1つも見学せずに決める
同じサービス名でも、事業所によって職員体制・送迎範囲・対応時間・雰囲気が違います。合わないまま続けると本人が行きたがらなくなります。
避け方:候補を2〜3か所出してもらい、可能なら見学または体験利用をしてから決めてください。
特定福祉用具販売のページで使っている用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 要支援 | 日常生活はおおむね自分でできるが、一部に支援が必要な状態。予防給付の対象。 |
| ケアプラン | 利用するサービスの種類・回数・事業所を決めた計画書。ケアマネジャーが作成する。 |
| 福祉用具貸与 | 車いすやベッドなどを介護保険でレンタルする仕組み。原則1割負担で借りられる。 |
| 区分支給限度基準額 | 要介護度ごとに決まる、介護保険で使える1ヶ月の上限額。超えた分は全額自己負担になる。 |
住まい・道具の9サービスを1枚の表で見る
特定福祉用具販売を含む住まい・道具の全9サービスを、自己負担(1割)・対象・形態・頻度・限度額の枠で並べました。自己負担の目安の小さい順です。横並びにすると、特定福祉用具販売がどのあたりに位置するのかが一目で分かります。
| 自己負担(1割) | 対象 | 形態 | 頻度 | 限度額の枠 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 福祉用具専門相談員 | 無料 | 要支援1〜要介護5 | 相談 | 随時 | 枠外 |
| 配食サービス | 400〜800円/1食 | 要支援1〜要介護5 | 用具 | 週1〜毎日 | 枠外 |
| 緊急通報システム | 0〜1,500円/月額 | 要支援1〜要介護5 | 用具 | 常時 | 枠外 |
| 福祉有償運送 | 500〜2,000円/1回 | 要支援1〜要介護5 | 訪問 | 随時 | 枠外 |
| 福祉用具貸与 | 100〜3,000円/月額 | 要支援1〜要介護5 | 用具 | 継続 | 対象 |
| 訪問理美容 | 2,000〜6,000円/1回 | 要介護1〜5 | 訪問 | 月1回程度 | 枠外 |
| 特定福祉用具販売 | 0〜100,000円/年10万円上限 | 要支援1〜要介護5 | 用具 | 随時 | 対象 |
| 住宅改修 | 0〜200,000円/生涯20万円上限 | 要支援1〜要介護5 | 用具 | 1回 | 対象 |
| 介護リフォーム | 0〜200,000円/工事 | 要支援1〜要介護5 | 用具 | 原則1回 | 枠外 |
この表の読み方は2つあります。ひとつは縦に見ること。同じ列で上下を比べると、その項目がどれだけ振れるのかが分かります。もうひとつは横に見ること。特定福祉用具販売の行だけを追うと、ある項目では上位でも別の項目では下位、という組み合わせが見えます。ひとつの数字だけで決めると、この組み合わせを見落とします。
特定福祉用具販売のデータを一項目ずつ読む
ページの先頭に出している基本情報を、一項目ずつ何を意味するのかまで書き下しました。表だけを見て分かった気になると、判断の材料を取り違えます。
自己負担の目安:0〜100,000円/年10万円上限
1割負担の場合の目安です。所得によって2割・3割になる方は、その倍・3倍になります。自分が何割かは毎年7月に届く負担割合証で確認できます。
対象:要支援1〜要介護5
要支援の段階から使えます。介護予防の目的でも組み込めます。認定がない場合は、まず市区町村の窓口で申請してください。結果が出るまで原則30日かかります。
形態:用具
どこで受けるかによって、家族の負担も本人の生活リズムも変わります。数字が同じでも、暮らし方への影響は別物です。
頻度の目安:随時
随時が目安です。回数の上限そのものは決まっていませんが、区分支給限度基準額の範囲に収める必要があるため、実質的にはここで上限が決まります。
限度額の枠:対象
要介護度ごとの1ヶ月の上限額のなかで、他のサービスと合わせて使います。超えた分は全額自己負担です。
注意点:年間10万円が上限です(4月〜翌3月)。指定事業者からの購入でないと給付されません。先に相談してください。
対象外になるものを知らないまま頼むと、自費で請求されます。先に切り分けておいてください。
住まい・道具のほかのサービスを短く見る
特定福祉用具販売と同じ住まい・道具にあるサービスを、自己負担の目安の順にひとつずつ。特定福祉用具販売が合わないと感じたときに、次にどれを見ればよいかの当たりがつきます。
福祉用具専門相談員(—)
福祉用具を選ぶときに相談にのる専門職です。事業所に配置が義務づけられています。向いているのはどの用具が体に合うか分からない、使い方に不安がある場合という場合です。
特定福祉用具販売との差:自己負担の目安で−50,000円。相談自体に費用はかかりません。合わない用具を使い続けると転倒の原因になるため、必ず相談してください。
配食サービス(400〜800円/1食)
栄養に配慮した食事を自宅へ届けます。届けるときに安否の確認を兼ねている事業者が多くあります。向いているのは調理が難しい、栄養が偏っている、日中ひとりで過ごす時間が長い場合という場合です。
特定福祉用具販売との差:自己負担の目安で−49,400円。介護保険の給付ではありません。市区町村の助成がある地域と、全額自己負担の地域があります。
緊急通報システム(0〜1,500円/月額)
ボタンひとつで消防や警備会社につながる装置を自宅に設置します。多くの市区町村が貸与しています。向いているのはひとり暮らし、持病があって急変の心配がある場合という場合です。
特定福祉用具販売との差:自己負担の目安で−49,250円。介護保険の対象外で、市区町村の高齢福祉の事業として実施されます。所得によって負担額が変わります。
福祉有償運送(500〜2,000円/1回)
NPOや社会福祉法人が、単独での移動が難しい方を有償で送迎する仕組みです。タクシーより安く設定されています。向いているのは通院や買い物の移動手段がない場合という場合です。
特定福祉用具販売との差:自己負担の目安で−48,750円。事前の会員登録が必要です。実施している団体は地域によって差があります。
福祉用具貸与(100〜3,000円/月額)
車いす・介護ベッド・歩行器・手すりなどをレンタルします。自己負担は月額のごく一部です。向いているのは身体状況に合わせて用具を試したい、購入せず使いたい場合という場合です。
特定福祉用具販売との差:自己負担の目安で−48,450円。要支援1・2と要介護1では、車いすや介護ベッドは原則として給付対象外です(例外給付の申請が必要)。
訪問理美容(2,000〜6,000円/1回)
理容師・美容師が自宅や施設を訪問して散髪や整髪を行います。向いているのは外出が難しく、店舗まで行けない場合という場合です。
特定福祉用具販売との差:自己負担の目安で−46,000円。介護保険の給付対象ではありません。市区町村が利用券を配布している地域があります。
住宅改修(0〜200,000円/生涯20万円上限)
手すりの取り付け、段差の解消、扉の交換など、自宅の改修費用が給付されます。向いているのは転倒予防、車いすでの移動をしやすくしたい場合という場合です。
特定福祉用具販売との差:自己負担の目安で+50,000円。原則として生涯で20万円までです。着工前に申請が必要で、事後申請は認められません。要介護度が3段階上がると再度利用できます。
介護リフォーム(0〜200,000円/工事)
手すりの設置、段差の解消、扉の取り替えなどを行います。介護保険の住宅改修と自費工事に分かれます。向いているのは転倒が心配、車いすで生活する見込みがある場合という場合です。
特定福祉用具販売との差:自己負担の目安で+50,000円。介護保険で使えるのは上限20万円までで、対象工事も6種類に限られます。着工前の申請が必須です。
特定福祉用具販売の数字の出どころと、確かめ方
このページに出している数字は、62サービスを7分類に整理したデータベースから引いています。特定福祉用具販売だけを個別に調べて書いたものではなく、全62サービスを同じ項目立てで揃えたうえで、そのなかの1件として出しています。だから順位も平均も、その場で計算した値になります。
| この記事の数字 | 性質 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 特定福祉用具販売の自己負担の目安 | 公表値や一般に知られている水準の目安 | お住まいの市区町村または地域包括支援センターで実額を確認できます |
| 順位・中央値・四分位 | このサイトのデータベース内での計算値 | 同じ分類のページを開くと、同じ母集団で計算した数字が出ます |
| 比較表の他のサービス | 同じ形式で揃えた同一データベースの値 | 各サービスの個別ページで、より詳しい内訳を確認できます |
| 制度・要件の説明 | 公表されている制度の内容を整理したもの | 介護保険の制度は改正されます。市区町村の公表内容が一次情報です |
数字を扱うときに気をつけているのは3点です。①幅で示すこと。ひとつの値に丸めると、条件によって動く部分が見えなくなります。②平均と中央値を分けて出すこと。極端な値があるときは、平均だけを見ると実態からずれます。③単位と母集団をそろえること。単位の違うものを混ぜて順位をつけても意味がありません。
それでも、ここに書いてあるのは判断の材料であって、結論ではありません。実際の条件は時期と相手によって変わります。決める前に、必ず一次情報にあたってください。
特定福祉用具販売にするかどうかの分かれ目
ここまでの数字を踏まえて、判断が分かれる点を3つに絞りました。どれかひとつでも「いいえ」なら、いったん止まって別の選択肢を見たほうが早いところです。
要介護認定を受けているか
特定福祉用具販売の対象は要支援1〜要介護5です。認定がなければ介護保険では使えません。申請から結果まで原則30日かかります。
「いいえ」なら:まず市区町村の窓口か地域包括支援センターに申請してください。認定前でも暫定のケアプランで始められる場合がありますが、結果によっては自己負担が生じます。
月の合計が限度額に収まるか
区分支給限度基準額の対象です。他のサービスと合算され、超えた分は全額自己負担になります。
「いいえ」なら:ケアプランを作る段階で、月の合計がいくらになるかを数字で出してもらってください。あとから請求されて気づくのがいちばん困ります。
対象外になることを把握しているか
年間10万円が上限です(4月〜翌3月)。指定事業者からの購入でないと給付されません。先に相談してください。
「いいえ」なら:介護保険で頼めることと、自費で頼むことを最初に切り分けてください。自費分の料金は事業所ごとに違います。
特定福祉用具販売について、さらに調べられていること
上で取り上げなかった質問のうち、検索されている数が多いものを4件足しました。
特定福祉用具販売は要介護いくつから使えますか?
特定福祉用具販売の対象は要支援1〜要介護5です。要支援の段階から使えるため、介護予防の目的でも組み込めます。
まず市区町村の窓口で要介護認定の申請をします。申請から結果が出るまでは原則30日です。認定が出る前でも、暫定のケアプランを作って利用を始められる場合がありますが、認定結果によっては自己負担が生じることがあるため、ケアマネジャーに確認してください。
特定福祉用具販売は区分支給限度基準額の対象ですか?
特定福祉用具販売は区分支給限度基準額の対象です。要介護度ごとに決まった1ヶ月の上限額のなかで、他のサービスと合わせて使います。上限を超えた分は全額自己負担になります。
| 要介護度 | 1ヶ月の上限額(目安) | 1割負担のとき |
|---|---|---|
| 要支援1 | 50,320円 | 5,032円 |
| 要支援2 | 105,310円 | 10,531円 |
| 要介護1 | 167,650円 | 16,765円 |
| 要介護3 | 270,480円 | 27,048円 |
| 要介護5 | 362,170円 | 36,217円 |
上限額は改定されることがあります。最新の金額はお住まいの市区町村または地域包括支援センターでご確認ください。
特定福祉用具販売に医師の指示は必要ですか?
特定福祉用具販売に主治医の指示書は原則として不要です。年間10万円が上限です(4月〜翌3月)。指定事業者からの購入でないと給付されません。先に相談してください。
ただし利用開始時には健康状態の確認があります。体調によっては内容が変更されることがあります。
40代・50代でも特定福祉用具販売を使えますか?
介護保険は原則65歳以上が対象です。ただし40〜64歳でも、特定疾病に該当する場合は要介護認定を受けて特定福祉用具販売を利用できます。
特定疾病は16種類が定められており、末期がん、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病関連疾患、脳血管疾患、初老期における認知症などが含まれます。該当するかどうかは主治医の意見書で判断されます。まず市区町村の窓口に相談してください。
特定福祉用具販売まわりの言葉を、もう少し細かく
本文に出てくる言葉のうち、意味を取り違えると判断そのものが変わるものを選んで、定義だけでなく「なぜそれが問題になるのか」まで書きました。
要介護
日常生活に継続的な介護が必要な状態。1から5まであり、5がもっとも重い。
介護保険の言葉は、似ていても制度上の扱いが違うものが多くあります。判断に迷ったらケアマネジャーか地域包括支援センターに確認してください。
ケアマネジャー
介護支援専門員。ケアプランを作り、事業所との調整を担う。作成費用の自己負担はない。
介護保険の言葉は、似ていても制度上の扱いが違うものが多くあります。判断に迷ったらケアマネジャーか地域包括支援センターに確認してください。
地域包括支援センター
市区町村が設置する高齢者の総合相談窓口。要支援の人のケアプランもここが担当する。
介護保険の言葉は、似ていても制度上の扱いが違うものが多くあります。判断に迷ったらケアマネジャーか地域包括支援センターに確認してください。
福祉用具貸与
車いすやベッドなどを介護保険でレンタルする仕組み。原則1割負担で借りられる。
介護保険の言葉は、似ていても制度上の扱いが違うものが多くあります。判断に迷ったらケアマネジャーか地域包括支援センターに確認してください。
※ 掲載している金額は自己負担1割の場合の一般的な目安です。所得に応じて2割・3割負担となる場合があります。地域区分・事業所の体制加算・要介護度によって実際の金額は変動します。制度は改正されることがあるため、利用にあたっては必ずお住まいの市区町村または地域包括支援センターにご確認ください。本サイトは制度の一般的な情報を整理したものであり、個別の医療的判断を行うものではありません。
